はじめに

「降る雪や明治は遠くなりにけり」という俳句がありますが、
また、大正も遠くなりました。
たった十五年間でありましたが、明治と昭和を結ぷ「かけ橋」のような存在で、明治にないまた昭和にない「何か」があったように思われます。
このような大正の思い出をたどりながら、多少の記憶間違いがあることをお詫ぴし、拙文の連続ですが、私自身、大正時代の空気を充分吸っていると自負しておりますので御笑読下さい。

平成八年一月一日

岩木 恵造(八十三歳)